【解説】
この図は、最先端の天文学などの科学から、簡略的に描いだこの宇宙の姿である。
通常の曼荼羅図では、仏の姿や、愛憎怨念などの感情を描いたものが一般的だが、感情的なものを一切排した科学曼荼羅だと思ってほしい。
138億年まえのビックバンから始まったとされるこの宇宙だが、最初に出来た元素は水素であった。この水素原子はその後も宇宙全体に広がり、星の圧縮と爆発とによりより重たい元素が生成されては、消滅てゆくのだけれど、私たちの体の細胞は、これらの元素の名残を確実に刻んでる。
いわば、私たち、地球も地球の中で生きたてる生命は全て、星のかけらからできているのである。
核の中心にはクウォークが随時生成消滅していて、元素は他の元素と結合して、物質を作る。その代表的なものは、水素元素2個と、酸素元素1個が結びついた水であろう。
分子はより多種の元素と結びついて長い鎖でつながれたような高分子となり、やがてアミノ酸を作って、自己複製をするようになる。これが遺伝子であり、DNAと、呼ばれるものである。
この図では、菌類、植物、動物が一番真ん中に重なるように表現されている。この3種が地球での代表的な生命体である。
地球の生命は、生命を取り巻く宇宙規模的な現象から外れては存在しない。この図は、そんな、宇宙と生命のつながりを表現するために描かれたのである。
参考文献
世界でいちばん美しい物語―「宇宙・生命・人類」;単行本 1998/5
AD2016 平成28年1月 石井一行