モンパ菌攻略方法 土耕菌ナルナル Tweet
多くの農業人が古い知識で対策を考えていました。
古い知識ではモンパは退治できません。
人間に感染するウイルスと一緒で抗生物質や殺菌剤の使用は、モンパ菌の変異を促進して事態を悪化させる要因となっています。
第一条 敵を知る事
樹木の根周りに菌糸を伸ばし、木を枯らしてしまう菌がいます。真っ白な綿菓子の様な菌糸の集合体を作り、枯れた木から引き剥がすとA3の用紙くらいの大きさになっているものもいます。
果樹園で多く発生し、殺菌剤も効果がなく、気が付くと長年育ててきた木が突然弱ってき枯れてしまう農家の頭痛の種でした。
果樹の種類を問わず、りんご・梨・びわ・桃・ぶどう・プラム・など、およそ樹木ならば被害が出ない種類は無いほどです。
人間に感染するウイルスが変異して、これまで効いていた薬が効かなくなるのはよく知られています。このモンパ菌も変異することで、農薬への耐性を増し、これまで効いていた薬が効かなくなります。現在市販されている殺菌剤も効かないようになってきています。
敵の正体は次の表に記しました。
病名 |
菌名 |
菌の種類 |
菌の読み方 |
白紋羽病 |
Rosellinia necatrix |
子のう菌 |
ロゼリニア ネカトリックス |
紫紋羽病 |
Helicobasidium mompa |
担子菌 |
ヘリコバシディウム モンパ |
写真で見てみましょう。
具合の悪い木の根元を10cm位掘るとすぐすぐ見つかります。
根の表皮を剥ぐと真っ白になっています。
↑ 木の根元の写真
↑モンパ菌を拡大してみたところ。細い糸が絡まって太い糸を構成している。
千葉県一宮市の梨畑で見たモンパ菌。根元を移植コテで掘り、根元の皮を剥ぐと、
すでにモンパ菌がギッシリ。この周辺の成長細胞が死んでいるのがわかる。
あれ、
おかしいなと思ったらすでに根の半分以上は壊滅的被害を受けていると考えていいでしょう。
気が付いたときには手遅れで、薬も効かないとなると農家はお手上げです。
何十年も大事に育て上げた木なのに全面降伏の状態です。
また、モンパが発生した木を植え替え、苗木を植えても数年でモンパに感染し枯れてしまうことも常態化しています。
活動する時期は一年中ですが、最もよく活動する時期は梅雨時のカビが好く生える時期です。
菌には空気中の酸素を好む菌と酸素が嫌いな菌がいます。前者を好気性菌、後者を嫌気性菌と呼んでいます。モンパ菌は酸素があってもなくても生きられる変性好気性菌だと考えています。それは、腐った根の表面はヘドロのようにべったりとしていて、とても酸素があるような状態に見えない所でも生息しているからです。
第二条 原因を探る
モンパ菌は、どこにでもいる土壌菌で、家庭の庭先にも、富士の樹海にも、ベランダで育てている野菜のプランターの中にもいるはずです。決して果樹園にのみ生存する菌ではありません。
では、なぜ果樹園に多発するのか。
そして、土耕菌ナルナルの果たす役割を次のページから紹介します。