NARUNARU



神から贈られた稲〜日本神話



上写真
左から、
籾米、籾殻、玄米、米糠、白米、そして、籾殻と米糠を発酵させたナルナルを展示しています。
下写真 左から右へと資材が分離され変化する様子を矢印で示します。
籾米100リットルは、モミガラ20リットル、玄米80リットルに分離されます。
玄米をそのまま食べる方もいますが、玄米と糠(ヌカ)を分離して白米ができます。
玄米80リットルは、糠10リットルと白米70リットルに分離されます。
この白米を世界の半分の人は主食としています。

食べない部分の、モミガラ20リットルと米糠でナルナル菌が醗酵します。糠は糠油や食品・肥料としても利用されています。



日本では、稲は特別な植物です。
およそ、世界中の神話では、それぞれの食物をもたらした神の名が知られています。
ギリシャ神話の世界では、穀物の神 デーメーテール。
インドネシア・セラム島のヴェマーレ族の神話のハイヌウェレ。
日本神話のオオゲツヒメや保食神(ウケモチ)・ワクムスビ。
中国南部にある食物神・后稷(こうしょく)
など、取り上げたらきりがありません。

 とくに日本の稲は、最も大切な植物として、収穫祭や田植え祭り、その時々の祭りに欠かせない穀物です。
皇居の中にも水田があって、天皇陛下自らがお田植えをされることが知られています。毎年ニュースで報道され、稲刈りのご様子も報道されています。
 宮中祭祀として最も重要とされる新嘗祭は新米を先祖の神に捧げる神聖な儀式として11月に行われます。とても神秘的なエ祭りとのことです。
 
 稲は、天壌無窮の神勅と言って、高天原から、地上に降りられるときに、天照大神が孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に食料として授けたものです。

イネのお米は、モミガラを付けたまま、脱穀せずに保管するとそうとう長い年月を生き延びます。
ひょっとしたら数千年は保存できるかもしれません。
そりお米を守る外殻がモミガラです。
お米の可食部分と比較して利用価値の低いモミガラは、今でも大量に廃棄されています。
その、モミガラを発酵させて出来上がるのがナルナル菌群です。
 これまで、醗酵しないと思われていたモミガラの発酵方法を発見したのです。
その醗酵物は、ナルナル菌と名づけられました。

そのパワーは、多くのご利用者の知るところですが、未解明の部分が多いのも事実です。
ナルナルでは、できるだけ科学的に最先端の知見をもとにナルナルの不思議を解明したいと考えています。


参考
世界の神話と主な宗教見られる土壌と大地
日本土壌肥料學雜誌 陽, 捷行 87巻4号
掲載ページ p. 267-277
発行年月 2016年8月


 
 稲の遺伝子数は、人間よりも多いことが判明しています。
万物の霊長類の王として君臨している人類も、遺伝子の配列からみたら、稲の方がひょっとして高級な生物なのかもしれないという考えもあります。
生命に高級も低級もないので、評論家の言葉遊びのようなものですが、複雑な遺伝情報を持つという事は、それだけ体験してきた出来事や、他の
生物との関わりの深さを表します。

 微生物から、魚や昆虫、鳥たちと交流してきた記録が遺伝子には組み込まれています。

ヒトゲノム全体は 32 億の塩基対からなり、遺伝子数は 24,000 であると推定されています。
イネのゲノムサイズは3億9千万塩基対であり、イネの全遺伝子数は約4万存在します。

ゲノムについては、東北大学名誉教授の池上正人先生の解説が分かりやすいのでご紹介します。
ゲノム研究からわかってきたこと



参考リンク
イネゲノム塩基配列と 新たな作物開発への挑戦
国立研究開発法人 農業生物資源研究所
 イネゲノム塩基配列解読で得られた3億8000万塩基のゲノム情報は、約2万8000カ所の遺伝子領域を示したイネアノテーションデータベース
(RAP-DB)として整備・公開され、遺伝子単離や機能解明の解析ツールとして多くの研究者や研究コミュニティーに利用されている。